山梨・静岡両県に跨る「南アルプス」と「富士山」。この2つの山域がもたらす豊富な水は、麓に住まう人々の営みに欠かせないものとなっています。
またその水は、湧水や伏流水としての形態、ミネラルや硬軟水といった成分、流れ出る場所にて千差万別となり、農業・水産業・畜産業をはじめ繊維業や工業に至るまで行き渡り、優れた名産品を生み出してきました。
そんな「水の恵み」を体現した返礼品を本特集ではご紹介いたします。
地域の魅力
静岡県・山梨県の水
山梨県・静岡県の水が豊富なことは、ミネラルウォーターの生産数量が全国比で山梨県が40.4%、静岡県が14.6%と、日本の55%のミネラルウォーターが両県で生産されているところによく表れています。
(2020/出典:一般社団法人日本ミネラルウォーター協会)
豊富な水量は、自然豊かな環境の恩恵であり、個性豊かな名水を育んでいます。
山梨県
山梨県は周囲を富士山や南アルプスなどの山々に囲まれており、峰々に降り注ぐ雨雪は伏流水へとなり、美しい景勝地を創り出しています。
伏流水は場所によって個性が分かれ、富士山北麓の水と南アルプス水系の水とでは、ミネラル分が大きく異なります。それらをふんだんに用いた地場産品から、多くの名産品が生まれました。蔵元やワイナリーの多さを見れば、水の量と個性の豊富さの裏付けと言えるでしょう。
静岡県
静岡県の南北を多くの河川が縦断しています。山に降り注いだ水の恵みは川へと繋がり、やがて海へと辿り着き、その流域では多くの産業が発展しました。天竜川付近では工業が発展、大井川流域では広範囲に及ぶ茶畑が広がり、富士川南域では製紙業が産業の中心となっています。また東部地域では、富士山南麓の湧水を抱えています。
海に行きついた水は豊富な栄養を含み、漁業や水産加工業も発展させました。
事業者紹介
山梨県・静岡県 事業者マップ
水へのこだわり
山梨銘醸株式会社
蔵を構えているのは、古い町並みを残す旧甲州街道台ヶ原宿。その地・北杜市白州町に「水の山」として名高い甲斐駒ヶ岳は白州の名水を恵んでいます。
その名水に惚れ込んだ初代中屋伊兵衛が江戸寛永3年(1750年)に創業。以来、地の米、水、人の手によって白州の名水は瑞々しい銘酒“七賢”へと生まれ変わります。
「地元白州の水を体現できる酒」
白州の水を口に含んでみてください。すうっと口になじみます。驚くほど角がなく、切れが心地よいのです。
造りの中で掲げたのはこの「地元白州の水を体現できる酒」。白州の水と相性の良い造りを求めて試作を重ね、吟醸造りの原酒仕立て手法を確立しました。
口に含んだ時の潤い、瑞々しさ、爽やかさ、軽快さを感じられることが白州の水を使った七賢の真骨頂です。七賢は飲む人の感動を醸し続けます。
水へのこだわり
株式会社 ての字
創業文政十年(1827年)から続く「ての字」では国産の活鰻を使用し、自慢のタレで焼き上げた蒲焼を真空パックにしています。
味へのこだわりからレトルト加工を施さず、保存料・着色料を一切使わない安心・安全の味わいとしています。
ふっくらとした焼き上がりにこだわった職人の技が活きた伝統の味を、ご家庭でお気軽にお楽しみいただけます。「ての字」の《伝統》と《技》が作り上げた美味しさをご賞味ください。
大井川の清流豊かな自然に囲まれた
《ての字吉田工房》
稚魚から育てられ、しかも生産者名のわかる良質な活鰻だけを、各主要産地の養鰻の達人より仕入れています。
産地に頼るのではなく、鰻の個性を活かして、「ての字」ならではの美味をご提供。出荷・加工前に、大井川の清らかな伏流水を浴びた鰻はより身が引き締まります。
串打ち/白焼き/蒸し/蒲焼き と、職人が丹精こめて工程を踏んだ蒲焼を「ての字吉田工房」より産地直送でお届け致します。
水へのこだわり
有限会社 マルモ食品工業
創業は昭和26年、戦後の食糧難の時代に創業者の望月晟敏が戦地で食したビーフンを再現しようと試みた過程でコシの強い麺が生まれました。
この麺の特徴は、水分が少なく、調理する際に水を加えたり、キャベツの水気でお好みの硬さで食することが出来ます。
地元富士宮では「肉かす(豚脂揚)」と呼ばれる豚脂を絞った際に派生する物を調理に使用する事で香ばしい味を出し、「だし粉(削り粉)」をふりかける事で『富士宮の味』となりました。
富士宮を豊かにする《富士山の伏流水》
蒸麺の製造工場の周辺には、「平成の名水100選」にも選ばれた【湧玉池】をはじめ、多くの湧水原があります。
その湧水と同じ水源に端を発する富士山の伏流水を用いて、マルモの蒸麺は作られます。
富士宮市の農業・産業は豊富な富士山の水があってこそ発展してきました。富士宮市で盛んな製紙業・農業、酪農、水産業と並び、「富士宮やきそば」はそんな富士山からの恵みを象徴しうるご当地グルメとして、市内外で愛され続けています。